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ストックオプション(新株予約権)の行使手続と登記必要書類

2021.07.14更新

過去に付与したストックオプションを、例えば上場後にいよいよ行使する。その際には登記手続が必要となります。

ストックオプションの行使の際の登記手続

ストックオプションの行使の対価として会社の「新株」を発行する場合、会社の発行済株式数が増加し、また資本金も増加しますので(会社計算規則17条1項)、こちらに関する変更登記が必要となります。

他方、ストックオプションの行使の対価として会社の「自社株」を割当てる場合、会社の発行済株式数は特に増加せず(割り当てた株式に関する株主が会社自身からストックオプションの行使した人に移るだけ)、かつ資本金も増加しないことが通常であるため、この点については登記は必要ありません。

しかしながら、ストックオプションを行使するとストックオプションの全体の発行数は行使された分だけ減少しますので、このストックオプションの全体の発行するを変更する登記は必要となります(会社法915条1項、911条3項12号イ)。この点は「新株」を発行する場合も同様です。

必要な書類

ストックオプションの行使の際の登記手続に必要な添付書面のうち、忘れがちなのが以下の書面です。

ストックオプション発行決議当時の株主総会議事録(または取締役会議事録)

これは、ストックオプションを行使してその対価に新株を発行するに際し、資本金の計上割合を発行要項(会社法236条1項5号)にどのように定めているかを法務局宛てに証明する必要があることが理由となります(よって、ストックオプションの行使対価として自社株を割り当てる場合は不要となります)。

つまり、行使価額の全額を資本金に計上するのか、それとも2分の1の割合での計上に留めるのか、ストックオプションの発行決議当時の発行要項まで遡らなければ分からない、という事になります。

また、ストックオプション発行当時の決議機関が株主総会であった場合(未上場時にストックオプションを発行された場合のケースは、ほとんどはこれに該当するかと思われます)は、

ストックオプション発行決議当時の株主総会に関する株主リスト

も必要になると解されます(商業登記規則61条3項。同項に言う「登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合」に該当するため。)。

当事務所の実績ではこちらの株主リストを添付しなかったときでも登記が受理されたことはありますが、商業登記規則上の形式文言には該当するため、添付を要すると理解すべきでしょう。

ストックオプション発行決議当時の株主総会の議決権状況を記載する必要があるため、用意をするのに多少の手間がかかることが予想されます。ストックオプションの行使にかかる登記の登記期限はストックオプションの放棄や消却とは異なり、その月分の末日締めで末日時点から2週間以内に登記すれば良いため(会社法915条3項1号)、登記手続日程上は余裕はありますが、忘れずにいたいところです。

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