VALUE司法書士法人

新着情報

ストックオプション:新株予約権(SO)の付与者が退職したときの法務手続(消却構成または放棄構成)

2021.02.05更新

ストックオプションを消去する手続をする必要がある場合

ストックオプション(新株予約権)を付与する際、ストックオプションを行使する際にその付与した会社(+その子会社)の役職員であることを行使条件として定めておくことがあります(そうしないと、その会社に所属し続けて企業価値向上に貢献するというインセンティブにならないため)。

このような行使条件を設けたストックオプションを従業員に付与した後、残念ながら従業員が退職してしまった場合、退職従業員についてはその行使条件に該当しなくなってしまうため、退職従業員側がストックオプションを行使できなくなる裏返しとして会社側としてはその分のストックオプションを消去する手続をしなければなりません。

ストックオプションを消去する方法は2通り

その方法としては、実務上主として①ストックオプションを消却する方法、②退職時に従業員に放棄の意思表示をさせ、それをもって放棄による消滅とする方法の2つがあります。その法務手続の概要は以下の通りです。

①退職者分の新株予約権の取得の取締役会決議(会社法274条2項)
⇒中2週間以上の期間を空けての取得公告(上場会社の場合は電子公告。会社法274条4項、275条1項2号)
⇒新株予約権の消却の取締役会決議(会社法276条)
⇒登記

②退職従業員からの放棄書の取付
⇒登記

①と②で結局、新株予約権を法的に消滅させるという到達点は同一であるためどちらの方法を採用しても問題はございません(どちらも適法な手続となります)。

①の方法に依らざるを得ない事態を回避すべき

しかし、上記のプロセスを見ても分かるように①は手続として取締役会決議を2回行わなければならないため特に上場会社においてはある程度の期間を要する上に社内手続上も煩雑であると言え、この点においてできる限り②の方法を採用して退職時にストックオプションの放棄書を忘れずに取り付け、①の方法に依らざるを得ない事態を回避すべきだと言えます。

②の方法のでも退職時から2週間以内に登記が必要

ただし、②の方法の場合は①とは異なり退職時をもってストックオプションは放棄により消滅すると解されるため、その日から2週間以内に登記をしなければならず(会社法915条1項。新株予約権の「行使」ではないため同条3項1号は適用されない)、退職者が出たごとに都度、新株予約権の変更登記をしなければならないといった煩瑣さはあります。

なお、登記実務上は、新株予約権の消滅登記時に①については消却決議時の取締役会議事録、②については添付書類は特に無い(司法書士などに登記を依頼する場合の登記委任状のみ)ため、望ましいか望ましくないかは別として放棄書が無くても登記は受理されます。

VALUE司法書士法人のサービス

ストックオプション組成法務支援

クライアントの皆様に満足いただけるストックオプション組成をご支援致します。